なぜベンチャー企業の方が製品開発速度が速いのか 3「意思決定、認識の共有、社内調整に時間がかからないから」
こんにちは~。
なぜベンチャー企業の方が製品開発速度が速いのかシリーズの3回目「意思決定、認識の共有、社内調整に時間がかからないから」について今日はお話したいと思います。
まずは前々回のブログに記載した内容を再掲します。
- 開発が遅れると会社が潰れるから
- 小さな失敗が許容されるから
- 意思決定、認識の共有、社内調整に時間がかからないから
- 専門性の高い他社に業務を委託するから
- 社内ルールや行事が必要最小限だから
1, 2の内容はこちらに記載しています。
3. 意思決定、認識の共有、社内調整に時間がかからないから
まとめ
- ベンチャー企業は少人数だから情報の共有や社内調整がスムーズ
- 意思決定者と社員の距離が近い
私の会社では総勢で10名程度なのでそもそも全員の意思疎通がとてもスムーズに行う事ができます。それなので認識の共有や社内調整も即座に終わってしまいます。これはものすごいメリットです。なぜならベンチャー企業を取り巻く環境はすぐに変化していくからです。毎週何かしら不測の事態が発生して、方向転換をしなくてはいけないほど状況は目まぐるしく変わっていきます。そんなときに即座に認識共有や社内調整ができるのは、事態に即座に対応するために非常に有利です。
(追記:リモートワークになったらこの意思疎通が難しくなってしまいました...)
また意思決定者(取締役メンバー)と社員が非常に近い関係にあるので、意思決定者から経営環境の変化を伝えやすいし、逆に現場環境の変化も意思決定者に伝えやすいことがあげられます。そもそもベンチャー企業では意思決定者自体が現場の最前線に立つことも多いので現場の環境と経営環境を一括して見渡すことが可能になります。だから意思決定者と現場がちぐはぐな対応をしてしまう事が非常に少なくて済みます。
ベンチャー企業での意思決定の速さについては、「1 開発が遅れると会社が潰れるから」「2 小さな失敗が許容されるから」に記載した通りだけれど、一旦社内で認識の共有や社内調整がされてしまえばすぐに意思決定を行って行動を起こす事になります。
1 開発が遅れると会社が潰れるから
2 小さな失敗が許容されるから
一方大企業だと階層が多く、そもそも認識の共有に時間がかかってしまうし、認識共有ができたとしても社内調整に時間がかかり、リスクを冒せないために意思決定も遅れがちになってしまいます。私が大企業で働いていたときにもこの実感がありました。会社のサイズが大きいととにかく社内コミュニケーションコストが高いです!これは大企業に勤めた経験のある方なら同感してもらえる事では無いでしょうか。情報共有の会議、多くありません??
実際の例を挙げてみると、私がアメリカ企業に勤めている時にある提案を行いました。その時は直属の上司、財務、税務、法務、知財、研究開発、事業開発、マーケティング、営業、品質保証、フィールドサービスなどなど実に多くの責任者の了解を取る事になってしまいました。自分の部門を除いても少なくとも10部門の説得です!同じ説明を繰り返ししたし、同じような質問を繰り返しうけました。説明を録音しておいて説明を求められるたびにそれを流したいくらいです。このプロセスだけで4ヶ月程かかってしまいました。周囲の説得が終わるころには疲労困憊です...。これが現在の私のベンチャー企業であれば2日程度で終わってしまいます。
この過程の中で私がうけた質問の多くは提案プロジェクト中のどこにリスクがあって、そのリスクは最小化されているのか、という観点からでした。これは日本企業で働いていた頃と全く同様な経験でした。大企業での関連部署の関心事はリターンの最大化では無く、リスクの最小化が議論の中心でした。これは前回記載したように大企業にとって「失敗」は失うものが大きいからだと私は考えています。全く同じような経験をアメリカ企業でも日本企業でもしてきているため、アメリカ人だからとか日本人だからという問題では無く会社のサイズの問題だと感じています。
以上が「意思決定、認識の共有、社内調整に時間がかからないから」という項目の説明になります。大企業での社内調整っていろいろ突かれるプロセスなので勇気を与えてもらえるものではないし、本当に心身を削られるプロセスだと今でも思います。大企業にとっては大切なプロセスだと頭ではわかっていても、担当者の精神状態を本当に悪くさせるんですよね。。。なんとかならないものですかね。
次回は「専門性の高い他社に業務を委託するから」について述べたいと思います。何とか2020年中に最後まで書きたいです!
今日もありがとうございましたー。
【なぜベンチャー企業の方が製品開発速度が速いのかシリーズ】