なぜベンチャー企業の方が製品開発速度が速いのか 5「社内ルールや行事が必要最小限だから」
こんにちはー。
今日はなぜベンチャー企業の方が製品開発速度が速いのかシリーズ 5回目「社内ルールや行事が必要最小限だから」についてお話をしたいと思います。このシリーズの最終回になります。
これまでのブログに記載した内容を再掲します。
- 開発が遅れると会社が潰れるから
- 小さな失敗が許容されるから
- 意思決定、認識の共有、社内調整に時間がかからないから
- 専門性の高い他社に業務を委託するから
- 社内ルールや行事が必要最小限だから
1-4の内容はこちらに記載しています。
5. 社内ルールや行事が必要最小限だから
まとめ
- 規程類がプロジェクトに最適化されている
- 社内行事は必要に応じて追加されていく
- 社内ルール至上主義者が登場すると悲劇
ベンチャー企業では社内の規程やSOP(Standard Operating Procedures)がプロジェクトに必要最低限なものにできるため「無駄」が生じにくい状態です。私達のようなベンチャー企業では、良くも悪くも歴史が浅いので組織として業務経験の蓄積がありません(自慢!えへん)。そのため大企業と比較するとかなり緩い規程しか準備されておらず、業務上で迷った事があればその都度相談をして判断をしていけばよいし、必要であれば自分達にあったルールを作っていきます。こうすることで自分達やプロジェクト、時世にあった行動がとれるようになっています。
これは少人数だからできることであって、多くの人達が働く大企業ではこのようにはできません。なぜなら人が多すぎて業務上で迷う事も膨大な数に上るし、業務も人も多様なので業務を事細かに規程やSOPとして定めておくことで効率的に会社全体の業務が回るようにしなくてはいけません。
つまり大企業では組織全体の視点で見れば、事細かに規程やSOPが決まっている方が断然効率的になるということです。ただ個別の業務に視点を移してみると、会社全体に適用される規程やSOPが業務の妨げになっている事は往々にして生じてしまうデメリットもあります。これは仕方が無いですね...。大企業には歴史があるので、膨大な経験から規程やSOPが作られていてそれはそれで貴重な財産である反面、時代や状況に合わない規程やSOPがゾンビのように生き続けていてこれが自らの足を縛っていることもあります。
日本の大企業で働いていた時に「5S、5S!」と叫びながら机の位置や電気の点灯ルールなど細かく指導してくれる人たちがいましたが、私は「机のきれいさではなくて、規程やSOPを必要最低限にして働きやすくして欲しい」と常々思っていました。もちろんそんなことを言うと「5S警察」に逮捕されるので心の中に留めていましたが。
また大企業にありがちな「研修」や「交流会」といった行事も私達の会社にはほとんどありません。業務時間は業務に集中がしやすい環境になっています(イベント好きにはつまらないかも知れませんね)。これは逆に言うと、ベンチャー企業は「研修」をして社員教育をする余裕があまり無いし(必要だとは思っているんだけど。。。)、「交流会」のように社内ネットワークを広げるための行事の必要性が低いということです。
ベンチャー企業の場合でも一つだけ注意しないといけない点があります。ベンチャー企業に社内ルール至上主義者が登場すると悲劇が起こってしまう事があるということです。これは私達のベンチャー企業では起こっていませんが、友達が経営する別のベンチャー企業で起こったそうです(お友達の社長、怒ってたなぁ~~)。
そのベンチャー企業で大企業出身者を雇ってみたらその人が前職までに経験してきた大企業では当たり前のルールを一生懸命に導入をしようとしたそうです。きっとその彼としては大企業での経験を活かして貢献したいという気持ちだったのでしょうが、会社の売上を伸ばす事に注力したい時期なのに間接業務ばかりが増えてしまったそうです。友達も「間接部門は余計な仕事ばかりつくるからいらない」とカンカンでした。会社の成長に応じてバランスよく社内ルールを整備していくのがとても重要だと思います。これが難しいですけどね。
以上で5回にわたってなぜベンチャー企業の方が製品開発が速いのかという事について書きました!
大企業での開発速度が遅くなってしまう理由については特に言及していませんが、ベンチャー企業で開発速度が早くなる理由の逆の事柄が大企業で開発速度があげられない理由にあたります。いつかのタイミングで大企業でこうすれば開発速度があげられるのではないかという事については考えを書いてみたいと思います。
あーーー2020年以内に5回書ききった!達成感あるなーーー。よかった!
お付き合いありがとうございました。
【なぜベンチャー企業の方が製品開発速度が速いのかシリーズ】