転職時のリファレンスチェックで確認されたこと(シリコンバレーベンチャー企業の場合)
こんにちはー。製造系スタートアップを創業し、あっぷあっぷしながらなんとかやっているゴリです。
突然ですが「リファレンスチェック」って聞いたことがありますか?
転職を考えたことのある方は聞いたことがあるかも知れません。企業が新たに人を採用する際に採用候補者の元上司や元同僚にお話を聞くことを「リファレンスチェック (reference check)」と言います。ちなみにお話を聞かれる元上司や元同僚を「リファレンス (reference)」と言います。アメリカの会社や組織に就職しようとしたことがある方は恐らく経験があるのではないでしょうか。
日本ではあまりなじみがないものかも知れませんが、アメリカのように転職が当たり前の時代がくれば今後日本でも「リファレンスチェック」が行われるようになるのではないかと私は考えています。そんなときの参考になったら嬉しいです!
今日はゴリがリファレンスとしてシリコンバレーベンチャー企業のインタビューを受けたときのお話をしたいと思います!
確認されたことを先に言ってしまうとこちらです。
- ゴリは候補者をどのように評価しているか
- 候補者の強みは何か
- 先方の企業が求めている役割を候補者が果たせると思うか
目次
リファレンスチェックの目的
リファレンスチェックは採用候補者本人への面接ではわからないことを確認することが目的です。面接しただけではその人のことがわからないですからねーーー。少なくとも私には見抜けません(断言)!
例えば「採用候補者と一緒に働いた人達は候補者をどのように評価しているのか」、
「どのような人がリファレンスチェックに応じてくれるのか(職場で良好な人間関係を築ける人かどうか)」などの確認になります。採用する企業としてはトラブルメーカーになりそうな人は避けたいですからね~。なるべく色んな角度から候補者を知りたいということですね。
転職を本気で考えているときは「どうせ会社をやめるんだから手抜きをしておこう」とか「どうせ会社をやめるんだから不満をぶちまけちゃえ」という気持ちになるのはよーーーくわかります。 が!本当にそれをやってしまうとリファレンスチェックがある場合、それで引っかかってしまう場合があるので要注意です。やっぱりいろんな人に見られていますからね。
あとリファレンスチェックがあるということで候補者はウソがつくにくくなるという効果もあると思います。面接のときに自分の成果を強調しようとして盛りたくなりますが、特盛りはバレちゃいますねーーー。面接では中盛りくらいにしておきましょう。
採用プロセスの流れ
今回はアメリカの大企業で一緒に働いていた元同僚がシリコンバレーのベンチャー企業に転職しようとしていたのですが、その採用プロセスはこのような感じでした。
- 元同僚が経歴を「LikedIn」*1に登録する
- 「LinkedIn」に掲載されていた企業の求人情報に元同僚が応募する
- その企業が「LinkedIn」に掲載されている元同僚の経歴を確認し、基準をクリアしていたためwebインタビューにすすむ
- webインタビューでは企業側と元同僚側のそれぞれの希望が折り合うかどうかを確認する
- 元同僚が「リファレンス」を 2,3 名提示する(そのうちの一人がゴリ)
- 企業が「リファレンス」にインタビューする
- 企業と採用候補者とで最終面接を行って採用か不採用かが決まる
今回はアメリカ企業に就職する場合なのでLinkedInが起点になっています。アメリカ企業への転職活動にLinkedInは必須と言っていいのではないでしょうか。採用担当者もLinkedInを必ずチェックしているはずです。
日本で転職をするからLinkedInは関係ないと思われるかも知れませんが、外資系企業は日本での採用活動でもLinkedInを使いますし、ヘッドハンターもLinkedInをサーチしています。ですので日本であってもLinkedInはキャリアアップには欠かせないツールだと思います。LinkedIn、おすすめですーーー。
ゴリ自身が外資系企業に転職したときもLinkedInでのつながりがきっかけになりましたねーー(遠い目)。最近はもっぱら取引先の担当者について知るために使っています。
日本だと名刺管理アプリの「Eight」がLinkedInに近い使われ方がされているのでしょうか(根拠なし)。私は名刺管理のためにEightを使っていますが、だんだんLinkedInに近づいているように感じます。意識してるのかな、、。
リファレンスチェックで確認されること
いよいよ本題です。ゴリがリファレンスチェックで聞かれたことを書きたいと思います!
今回のインタビューは電話でした。インタビューは約15分で電話のお相手は元同僚の未来の上司にあたる人でした。ざっくりというと以下の流れです。
- 先方から今回のインタビューが採用プロセスの一環である旨の説明
- ゴリからの自己紹介と候補者(元同僚)との関係の説明
- 先方からゴリへの質問
1ではインタビューの目的をきちんと説明してくれました。特にどういうポジションでの採用過程なのかということを詳しめに説明してくれました。もともと元同僚からしっかりと事前説明をうけていたので特に驚くこともなくすぎました。元同僚さん、ありがとう~~!
そして2ではゴリが自己紹介をするのですが、そのなかで意識して次のことを説明しました。
候補者(元同僚)とゴリが
- いつからいつまで
- どこで
- お互いにどのような立場で
- どのようなプロジェクトに関して
一緒に仕事をしていたのか。
これらの説明はゴリがリファレンスチェックに協力する場合には最初に必ずおこないます。なぜならこれらのことを先方に最初に伝えることでゴリがどんな視点から発言するのかということを先方に理解してもらえるからです。例えば同じ部署内のチームメイトの視点なのか、直属の上司からの視点なのか、他部署のメンバーからの視点なのかなどです。
3「先方からゴリへの質問」では具体的には次の質問がありました。
- ゴリは候補者(元同僚)をどのように見ているのか(評価しているか)
- 候補者(元同僚)の強みは何か
- 先方の企業が求めている役割を候補者(元同僚)が果たせると思うか
1「ゴリは候補者(元同僚)をどのようにみているのか」についてはYes/Noでこたえられない「オープンクエスチョン」形式の質問でした。
先方がこういう質問をするときは、ゴリからみた候補者(元同僚)の最も印象的な特徴を聞きたいという気持ちが背景にあります。
今回私は「候補者(元同僚)は複雑な状況でも状況を整理した上で順序だてて仕事が進められるチームワーカー」、「チーム内で足りていない役割を素早く見つけ出し、その役割をこなせてしまう器用な人」という内容で答えました。なぜそのように評価するのかという具体的なエピソードもそえて。
ちなみに「他の人ではうまくいかなかったのにこの人だとうまくいった」というストーリーでお話をしてあげるとより素晴らしい印象を与えることができます(小声)。
2「候補者(元同僚)の強みは何か」については候補者(元同僚)の強みが企業の方向性と一致するかどうかを確認するためだったり、他の候補者と比較するときの判断材料にするためだったのではないかと思います。
ここでは1とかぶる部分がありましたので、追加して候補者(元同僚)の強みを紹介しておきました。「複数の部署にまたがったチームであったり、文化背景の異なるインターナショナルなチームであってもメンバーをまとめて成果を出せる」ということを答えました。
先方の反応からするとこの回答はヒットしたらしい(、、、たぶん)。多様性が重要とはよく言われますが、実際に多様性のあるチームで仕事をするのは大変だし誰でもできるわけではないですからね。文化的背景や専門性などが異なると共通理解を持つことのハードルはとても高いです。前提となる知識や認識を共有するのに一苦労します。同じ言葉であっても、例えばアメリカ人のいう「わかった」、インド人のいう「わかった」、日本人のいう「わかった」が違うことがままありますしね。あとグローバルチームだと時差は地味~にきついです。歳をとってくると特に。ヨーロッパ、アメリカ、アジアのメンバーが参加するweb会議だとどこかは深夜ですからね。。。
3「先方の企業が求めている役割を候補者(元同僚)が果たせると思うか」については、ベンチャー企業を経営しているゴリから見て候補者(元同僚)がきちんと役割を果たせるかどうかを聞きたかったのだと思います。大企業とベンチャー企業とでは求められる資質やメンタリティーが違いますからね。シリコンバレーといえど大企業出身者を雇ってガッカリしてしまうのはベンチャー企業あるあるです。
今回は「候補者(元同僚)は今まで大企業で働いていたから計画を実行に移す機会に恵まれてこなかったのはその通り。候補者(元同僚)はそういう状況に危機感を覚えてMBAをとるという行動をおこした。だから貴社で実行、実行、とにかく実行しまくる機会を求めている。候補者(元同僚)は貴社で活躍できる準備ができていると思う。」と答えました。本当は経験があるとベストでしたが挑戦的なポジションへの転職だったので「準備はできてると思うよ」という回答になりました。
これで一通りインタビューは終わり少し雑談を交わして電話を切りました。やりきりましたーーー。
あとは元同僚の幸運を祈るばかり。Fingers crossed!
さいごに
いかがでしたでしょうか。採用候補者のことを色んな角度から知るためにこんな労力をかけるのですね~~。やっぱりみなさん良い人間関係で気持ち良く働きたいですものね。
いずれにせよ誠実に良い人間関係を築いておくというのは大切ですね!同じ業界内での転職だと遅かれ早かれ人のうわさは広まっていくので、どこかの職場でめちゃくちゃなことをしてしまうのはやっぱり損だと思います。目に見えない「トラックレコード」が残ります。
今日は以上です。ありがとうございましたー。
【おまけ】
日本人の方から転職について意見を聞かれたときに必ずお薦めしているのは次の2冊です。会社に自分のキャリアを握られてしまうのではなく、自分でキャリアを作っていきましょうというお話です。同じ能力があっても似たような仕事をしても活躍する場所や立場で得られる報酬も自由も変わってしまいます。自分のキャリアのオーナーシップは超重要です!
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