スタートアップであっぷあっぷブログ

元研究者のスタートアップ経営者がスタートアップでの経験やキャリアについて発信するブログ。雰囲気ゴリラ似。

東洋経済記事「日本は超エリートをGAFAに奪われている」について思う事

日本の「超エリート」人材がGoogleAppleFacebookApple (略してGAFAというらしい) に流れている、日本から流出している、という記事が東洋経済に掲載されていました。

 

toyokeizai.net

 

初めてこのタイトルを見た時は「超エリート」を日本の所有物みたいに言っているように聞こえてなんだか違和感がありました。別に個人が働きたい所で働くのは個人の自由じゃないかと。「超エリート」が働きたいと感じる環境がGAFAにある、GAFAが上手にそういう環境を提供している、ただそれだけの事だと。至って自然な事なのに何を言っているのだろうと感じました。

 

でも考えてみれば日本の税金を投じて教育して育った人材が海外に流出してしまうのは日本にとっては大きな損失ですね。日本人に限らず日本で働いてもらいたい人材はどのような人材なのか、そのような人材はどのような環境を求めているのか、という点をよく考えて行動に移す必要があると思います。本当に危機と感じるなら言うだけでなく、行動に移せばいいのにと思います。

 

僕は日本の大学で理系のPhDをとって、アメリカの大学でポスドクをやり、日本やアメリカで日系企業、米系企業で働きました。僕の狭い経験の中で感じていることを書きたいと思います。

 

僕が働く環境に求めるのは次の三点です。

  • 仕事が挑戦的であること
  • 裁量があること
  • 報酬が魅力的であること

 

日系企業と米系企業とを比べると、「裁量」と「報酬」の二点について大きな差を感じます。米系企業の方が僕が求めるものにあっています。日系企業から米系企業に移ることで裁量も報酬も仕事の挑戦度も大きく上がりました。ただ同時に責任も重大で、結果が出なければ立場を失います。職位が上がれば上がるほど責任をとって去る人が多いです。

 

一方日系企業年功序列傾向が強く、裁量も無ければ報酬も低めです。仕事で誰よりも成果を出したとしても数年単位では何も変わりません。逆に失敗してもお咎めなしです。日系企業は良く言えば家族的、悪く言えば社員を子供扱いしているように思います。僕は色んな事に次々挑戦していきたいタイプなので、米系企業の方が自分に合っています。日系企業に勤めていた時は言いたい事をほとんど言えなかったので(←あまり意見を言わない方が良いという事を徐々に学びました!)息が詰まりそうな感覚をずっと持っていました。「他の同僚」と同質であることが好まれたように思います。PhDであること、アメリカでポスドクをやっていた事は、その企業では珍しい事だったので「自慢している」ととられる事が何度かありました。目立ちさえしなければお互い助け合う良い会社だったので極力目立たないようにするようになりました。

 

機会があって米系企業に移ってからはまた自分の意見を堂々と発言し、実行し、評価してもらえるようになり、自分でも驚くほど息を吹き返したのを覚えています。人間、呼吸は大切ですよね~。呼吸を忘れていました!自分が他の人と違うことがセールスポイントになります。やっぱりこの方が僕には合っていました。個人を大切に生きて行けるのは素晴らしい事だと思います。仕事の挑戦度、裁量、報酬の全てが向上しました。唯一の大変さはプレッシャーのきつさでしょうか。誰でも体調や気力に波があると思いますが、調子が上がらないときは日系企業にいるときよりも大変ですね。

 

長々と書いてしまいましたが、僕の場合は「仕事の挑戦度」「裁量」「報酬」が魅力的であることが大切なので日本企業でそう言うところがあれば働きたいと思います。現時点では日系企業と米系企業を比較したら米系企業の方が働きやすいです。ただ今は自分で会社を興して経営しているので、「挑戦度」と「裁量」は非常に高いので日本であっても満足な働き方ができています!(報酬はこれからかな...)

 

報酬の違いについても思うところがあるので、いつか記載したいと思います。