大企業勤めとスタートアップ勤めの働き方の違い

 私の勤めているスタートアップで働いてくれる人を募集していてある知人から「あなたのスタートアップで働くための最低要件は何?」と聞かれて答えたのが以下の項目です。

 

  • 個々人の担当領域がだいぶ広い
    • 裁量と責任の範囲が広くなります
    • 裁量をもって仕事ができますし新しい経験が蓄積できます
    • 一方で未経験の事であっても次々と仕事をしていかないといけませ
  • 仕事環境はまだ整っていない
    • 自分達が仕事しやすい環境を作る事ができます(在宅勤務など)
    • 逆に言うと庶務などの支援業務はほとんどありません
  • 時間がタイト
    • 承認プロセスがかなりシンプルなので判断が速く非常にスピーディーに仕事が進められます
    • とにかく行動に移してアウトプットを出し続けることが重要になります
    • スピード重視にならざるを得ないため、情報や準備が不足する段階で判断をしなくてはいけない場合が多々あります

 

即戦力を求めているのは間違いないですが、それ以上に働き方の合う合わないが重要だと感じています。

 

このように書くと要求が高いですね。。。

 

読書感想「部下を持ったら必ず読む『任せ方』の教科書」出口治明

自分で仕事を抱え込んでしまって疲れ切ってしまう癖があるので何とかヒントが欲しくて本書を手にとりました。

 

一番印象に残ったのは「部下の仕事が60点なら合格点を与えなければならない」「出来ている60点ではなく出来ていない40点ばかり気にしているから仕事が任せることができない」という箇所です。あぁ~~~これだ!!と思いました。思い当たるところがありまくり。

 

自分自身の完璧主義的な性格がまた出てしまっていることに気づきました。意識的に完璧主義をやめようと努力しているつもりですが、また出ていたようです。いけない、いけない。

 

部下の仕事が60点であっても部下にあれこれ注文をつけることはしないけど、内心ではその仕事ぶりに満足できていないので、ついつい自分で最後に修正したり、次回からは自分でやってしまったりしているような気がします。心からは満足できていないのが原因ですね。

 

こんな文章もありました。「マネージャーが『60点では満足できないから自分の力で80点以上にする』と考えてはいけない。60点で我慢する度量を持つべき。」

はい、僕の事です。度量が足りないです。お客さんに出すものが60点の出来だと申し訳ないし怖いです。。。「部下に権限と責任を持たせる」ということも書かれていたので、お客さんに出すものの場合はあらかじめ権限と責任を持たせて、それが仮に60点だと思っても最後までやり抜いてもらうということかな。

 

本書を読んで60点で良しとする心構えを持とうと決めました!行うは難しだろうけどまずは努力をしてみます。読んだ価値がありました。

 

 

 

部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない

https://www.amazon.co.jp/%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%89%E5%BF%85%E3%81%9A%E8%AA%AD%E3%82%80-%E3%80%8C%E4%BB%BB%E3%81%9B%E6%96%B9%E3%80%8D%E3%81%AE%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8-%E3%80%8C%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%80%8D%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84-%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E5%87%BA%E5%8F%A3/dp/4041106176/ref=tmm_hrd_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=

 

 

向かない仕事は健康を害する

取締役として会社に参加してもらった人が会社を辞めてしまいました(涙)。健康上の理由です。


取締役としての重責が大きな精神的ストレスになり健康を害してしまったそうです。周囲との軋轢を生んでいたので周りも大変だったけど、それでも非常に残念です。

 

その方は長年日本の大企業の技術職をされていて定年退職のタイミングで私の会社に参加してもらった方です。その方にとって会社の経営陣に加わるのはこれが初めてでした。


取締役の役割にも徐々に慣れてもらおうと私は考えていましたが、慣れる前に会社を辞めることになってしまいました。長年の従業員の考え方からなかなか抜け出せずに苦労されたようでした。何十年も続けてきた行動や考え方は一朝一夕では変わらないのは当然といえばそうですね。

 

その方はとにかく責任を持つ事を避けたがる性格的な傾向を持っているように感じられました。

 

具体的には、自分が責任者になることをなんとか回避しようとしていました。とにかく自分では何も決定したくない。それでも責任者になってしまった場合には社外コンサルタントを何人も付け、そのコンサルタントに方向性や計画などすべてを決定してもらいたがる(それでも責任者の責任なんですけどね。。。)。失敗した場合に自分にどんなペナルティーがあるかばかりが気になってしまい、ひたすらネガティブ思考に陥って仕事に手がつかなくなる、などなど。

 

立場が人を作る面は大いにあると私は思いますが、それでもあまりにも性格とかけ離れた立場になってしまうと健康を害してしまうんだという事を再認識しました。無理は禁物ですね。


個人や組織が成長する際は、少なからず初めての事やそれまで不得意だった事に取り組むことになり、必然的にストレスがかかります。私自身はある程度ストレスは必要だと思います(Confort zoneから足を踏み出すとも表現します)。なぜなら自己成長のためのストレスは必要だと思うからです。


一方で今回の件のように許容範囲を超えたストレスは個人や組織を病気にしてしまいます。本当に見切りが難しいなぁと思います。

 

これから伸びなくてはいけないベンチャー企業はストレスの塊になると思います。自身のストレス耐性(強弱だけでなく、ストレスの種類も大切)を知って働く場を選ぶことは大切だなとつくづく感じました。

赤ちゃんと一緒にいると大人としゃべりたくなる

今日はお仕事を休んで一日0歳3ヶ月の赤ちゃんと留守番をしていました。
直前の三連休も赤ちゃんと二人で過ごす時間が長かったので妻の気持ちが少しわかった気がします。いつもありがとう~!

 

一番大変に感じたのは誰とも話さない時間が長いという事です。ミルクを作って、上げて、おむつを替えて、抱っこして、あやして、寝かしつけて(以下永遠にリピート)。
その合間に赤ちゃんを抱っこしながら買い物に行って、洗濯をして、掃除をして、、、。大人と会話をしたくなります!あーーーなんかおしゃべりしたい!でもパパ友もママ友もいないし。。。

 

で思いついたのがブログを書く事!しゃべれないなら書く。子供片手に抱っこしながら書いてます。

 

あ、ぐずりだした。。。という事で今日は終了です!

東洋経済記事「日本は超エリートをGAFAに奪われている」について思う事

日本の「超エリート」人材がGoogleAppleFacebookApple (略してGAFAというらしい) に流れている、日本から流出している、という記事が東洋経済に掲載されていました。

 

toyokeizai.net

 

初めてこのタイトルを見た時は「超エリート」を日本の所有物みたいに言っているように聞こえてなんだか違和感がありました。別に個人が働きたい所で働くのは個人の自由じゃないかと。「超エリート」が働きたいと感じる環境がGAFAにある、GAFAが上手にそういう環境を提供している、ただそれだけの事だと。至って自然な事なのに何を言っているのだろうと感じました。

 

でも考えてみれば日本の税金を投じて教育して育った人材が海外に流出してしまうのは日本にとっては大きな損失ですね。日本人に限らず日本で働いてもらいたい人材はどのような人材なのか、そのような人材はどのような環境を求めているのか、という点をよく考えて行動に移す必要があると思います。本当に危機と感じるなら言うだけでなく、行動に移せばいいのにと思います。

 

僕は日本の大学で理系のPhDをとって、アメリカの大学でポスドクをやり、日本やアメリカで日系企業、米系企業で働きました。僕の狭い経験の中で感じていることを書きたいと思います。

 

僕が働く環境に求めるのは次の三点です。

  • 仕事が挑戦的であること
  • 裁量があること
  • 報酬が魅力的であること

 

日系企業と米系企業とを比べると、「裁量」と「報酬」の二点について大きな差を感じます。米系企業の方が僕が求めるものにあっています。日系企業から米系企業に移ることで裁量も報酬も仕事の挑戦度も大きく上がりました。ただ同時に責任も重大で、結果が出なければ立場を失います。職位が上がれば上がるほど責任をとって去る人が多いです。

 

一方日系企業年功序列傾向が強く、裁量も無ければ報酬も低めです。仕事で誰よりも成果を出したとしても数年単位では何も変わりません。逆に失敗してもお咎めなしです。日系企業は良く言えば家族的、悪く言えば社員を子供扱いしているように思います。僕は色んな事に次々挑戦していきたいタイプなので、米系企業の方が自分に合っています。日系企業に勤めていた時は言いたい事をほとんど言えなかったので(←あまり意見を言わない方が良いという事を徐々に学びました!)息が詰まりそうな感覚をずっと持っていました。「他の同僚」と同質であることが好まれたように思います。PhDであること、アメリカでポスドクをやっていた事は、その企業では珍しい事だったので「自慢している」ととられる事が何度かありました。目立ちさえしなければお互い助け合う良い会社だったので極力目立たないようにするようになりました。

 

機会があって米系企業に移ってからはまた自分の意見を堂々と発言し、実行し、評価してもらえるようになり、自分でも驚くほど息を吹き返したのを覚えています。人間、呼吸は大切ですよね~。呼吸を忘れていました!自分が他の人と違うことがセールスポイントになります。やっぱりこの方が僕には合っていました。個人を大切に生きて行けるのは素晴らしい事だと思います。仕事の挑戦度、裁量、報酬の全てが向上しました。唯一の大変さはプレッシャーのきつさでしょうか。誰でも体調や気力に波があると思いますが、調子が上がらないときは日系企業にいるときよりも大変ですね。

 

長々と書いてしまいましたが、僕の場合は「仕事の挑戦度」「裁量」「報酬」が魅力的であることが大切なので日本企業でそう言うところがあれば働きたいと思います。現時点では日系企業と米系企業を比較したら米系企業の方が働きやすいです。ただ今は自分で会社を興して経営しているので、「挑戦度」と「裁量」は非常に高いので日本であっても満足な働き方ができています!(報酬はこれからかな...)

 

報酬の違いについても思うところがあるので、いつか記載したいと思います。

経営者と従業員の違い

取締役候補の人(以下Bさん)と面談をしていて「経営者」と「従業員」の違いについて感じた事を書こうと思います。Bさんはある日系の大企業の従業員として数十年お勤めだった方です。

 

Bさんから以下のような質問を受けました。

  1. 「私の上司は誰になりますか」
  2. 「私は誰に定期的に報告する事になりますか」
  3. 「(Bさんが遵守する)就業規則はどうなっていますか」
  4. 「どんな資料を作っていたら良いですか」
  5. 「出張はどのようにしていますか」

 

僕の考え方と違うだけかも知れませんが、いずれの質問も従業員目線の質問に感じました。新鮮さを感じてしまうほど忘れていた感覚です。

 

1について「上司はいません」ですし、2についても「株主や顧客などに報告することになります」です。3は「Bさんは経営側なので就業規則は適用されません」で、4と5は「必要性に応じて適宜」という回答になります。

 

確かに従業員として異動や転職すると真っ先に気になることかも知れませんね。日系某企業に勤めていた際には僕も気になっていたと思います。覚えてないですが。資料はたくさん作った気がしますね~。懐かしい。

 

経営者になってから感じるのは、自分自身の判断で仕事を進められるのが良い反面、その判断による結果は良くも悪くもダイレクトに跳ね返ってくることです。うまくいけば嬉しいし、失敗すれば自分の判断ミスが導く損失の大きさを目の当たりにすることになります。やりがいがある反面、プレッシャーも大きく、休暇中も心のどこかで仕事の事がひっかかっています。もっと何事も気にしない性格だったら楽だったのになぁ~。仕事自体は楽しいからいいか。

読書感想「日本人の9割が知らない遺伝の真実」安藤寿康

言ってはいけない残酷すぎる真実」橘玲を読んだ際に最も興味を引いたトピックが双生児を用いた遺伝に関する研究だったので、その引用元になっている安藤寿康さんの研究内容を知りたくて本書を読みました。

 

gorilyn.hatenablog.com

  

最も響いたのは「あらゆる文化は格差を広げる方向に働く」という章に記載されている次の文章です。

『教育が一部の人にしか与えられないときは、能力や知識の個人差は、その教育を受けたか受けなかったかという環境の差で説明される割合が大きいでしょう。しかし教育があまねく行き届いたとしたら、そのときに顕在化するのが遺伝的な差なのです。』

 

なるほど~!と感心しました。確かに環境が同程度もしくは十分なものであれば差を生むのは遺伝的な違いになりそうです。教育機会が均等になればなるほど持って生まれた遺伝の差が強調されるのは目から鱗が落ちる思いでした。誰でも公平に教育が受けられる事を目指したのに、結局遺伝に大きく影響される結果を招いたのは皮肉な感じがします。

 

ただ個人レベルに視点を移せば、遺伝子は変えられないので教育を受けることで本人の能力や知識が向上するのは間違いがないので、教育には依然として大きな意味があります。

 

あと興味深かったのは「収入と遺伝に関係はあるか?」というトピックです。

 

 いくつかの研究例の紹介がありましたが、最も興味を引いたのは年齢を考慮した研究結果です。年齢が上がるにつれて収入と遺伝の相関が高くなるとの結果だそうです。

 

  • 約20歳時点 --- 遺伝 20%, 共有環境 70%
  • 約45歳時点 --- 遺伝 50%, 共有環境 ~0%

 

若い時の収入は家庭環境のような共有環境で決まり、働き盛りの45歳時点では遺伝で収入が決まる傾向があるということです。

 

これは僕の実感に合います。教育熱心な親に育てられた子供は大学や大学院に進み、比較的給与の高い会社に入るなどして高めの収入を得ているように思います。働き始めたばかりは先輩や上司から言われた事をこなすことで評価をされる事が多いと思います。しかしながら働き始めてしばらくすると状況が変わり、前例の無いような状況で判断と努力を重ね成果を上げ続けなくては高い収入を得られなくなります。この場合はどんな教育を受けてきたかよりも、不確定な状況を恐れずに挑戦やプレッシャーを楽しめるような性格であったり、他人の協力を取り付けられる人当りの良さが併せて重要になります。これは遺伝によるところが大きそうです。実のところこのような性質は、本書を読むまでは子供時代の過ごし方で決まると漠然と思っていました。遺伝なんですね。。。

 

とても面白かったです!知的好奇心が刺激されます。世の中には分かっていないことが多いですね!わくわくします。これは友達にお薦めしたくなる本です。

 

「日本人の9割が知らない遺伝の真実」安藤寿康

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追記

行動心理学の研究分野については僕は全く知りませんが、複数の角度から検証が行われていることに言及されていたので読んでいて安心感がありました。さすが研究者が書いた本だなと感じました。僕は「言ってはいけない残酷すぎる真実」よりも本書の方が好みです。